転職相談|「浅く広く」の経歴で困っています

職務経歴書の書き方をプロが直接指南します。さてさて今回の相談者のお悩みは・・・・・・
第5回のお悩み 「浅く広く」の経歴で困っています 28歳女性編
今回の相談者   今回の所長
鬼川原文子さん(仮名)28歳
大阪府在住。社会保険労務士事務所と病院で、人事・労務・総務・経理などの事務の仕事、理事会・総会などの企画運営の仕事、さらに電話相談の仕事まで幅広い職務を経験。そろそろキャリアの軸を決めたいと考えている。
 
小林智明さん
株式会社JMAM
チェンジコンサルティング
キャリアカウンセリング
研究所所長
プロフィール
お悩みポイント
その1  

「広く浅く」の職務経歴なので、そのまま職務経歴書に書くとキャリアの一貫性がないと思われるのでは・・・・・・

その2  

病院、社団法人など特殊な業界にいたことが、一般的な事業会社に応募する際にネックにはならない? また、そうならないような職務経歴書の書き方ってある?

その3  

「できること」を人事担当者に効果的にアピールする職務経歴書とは?

 
プロフィール

プロフィール

1962年生まれ 京都府出身。
キャリアカウンセリング研究所所長として、再就職支援、社会人・学生に対するメンタルおよびキャリアカウンセリングを担当。5年間で200人を超える再就職支援を行い、そのうち1年後の再就職率は95%を誇る。人事にアピールする職務経歴書作りには定評あり。カウンセリングモットーは「求職者の自立を促す支援を徹底的に最後までやる!」
●産業カウンセラー
●NPO日本キャリアカウンセリング研究会会員

before 職務経歴書
 
 
NGポイント (抜粋)
NG1   経験した職務をただ羅列するだけではNG。ポイントを絞って書く
 
NG4   ・ 経験した大きな業務別に分け、それぞれに付随する仕事を詳しく書く
・ 希望する職種にあまり関係ないと思われる仕事はあえて外す
 
NG2   「株式会社」、「医療法人」などは略さず正式名称をキチンと書く
 
NG3   目指す職種に対する最大の売りの部分は、詳しく書く
   
 
 
アドバイスを元に作り直した職務経歴書はこちら
 
アドバイスを元に作り直した職務経歴書
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職務経歴書

小林所長 小林所長 鬼河原さん 鬼河原さん
経験した職務をすべて書くのはNG。ポイントを絞って!
鬼河原さん

これまで2社で経理・総務・労務などの事務処理、理事会や総会の企画運営、電話相談応対など、多くの職務を経験してきました。しかしすべてが「浅く広く」なので、そのまま書くと脈絡のない職務経歴書になってしまいます。自分で書いていてもキャリアの一貫性がないと感じるので、これを読んだ人事担当者が同じように感じたら書類選考で落とされる可能性が高いのではないかと・・・・・・。

小林所長

(職務経歴書を読みながら)ふむふむ……確かに経験してきた職務の種類がとても多いですね。でも、そのすべてをただ羅列して書くだけではダメなんですよ。

鬼河原さん

どうしてですか? 今まで経験してきた職務をすべて書くのが職務経歴書じゃないんですか?

小林所長

いえいえ。そう思っている人は実に多いのですが、それは誤解です。職務経歴書をどう書くかよりも、まずは「この職務経歴書を誰にアピールしたいか」が大事なんですよ。つまり「これからどんな仕事を目指すのか」とターゲットをまず決めて、それに合わせたアピールを職務経歴書でしていくのがポイントなんです。鬼川原さんはこれまで多種多様な仕事を経験されていますね。その中から、今後どういう仕事をキャリアの軸にすえていきたいとお考えですか?

鬼河原さん

総務や人事労務系の仕事をメインにやっていきたいと思ってます。

小林所長

ならば事務・管理系の仕事にフォーカスした職務経歴書にしないとね。職務経歴書には経験したすべての職務を書かなくてもいいんですよ。経験職種の多い人がすべての職務を書き込んでしまうと、人事担当者の混乱を招いてしまうんです。

鬼河原さん

どういうことですか?

小林所長

例えばこの職務経歴書には「心理相談」と「経理」を経験したと書かれてありますが、どちらも専門性が高い職種です。専門がいくつもあった場合、それは専門とは言いません。職務経歴書で「専門性」をアピールしたい場合に専門職を並列させてしまったら、担当者の意識はそれぞれに分散し、結果として「専門性」のアピールが弱くなってしまいます

鬼河原さん

なるほど。

小林所長

経験してきた職務をすべて書きたい気持ちは分かりますが、これから就きたい仕事と関連の低い職務は思い切り減らすんです。場合によっては省いてもいい。そして関連の高い職務のボリュームを増やすわけです。大事なことはアピールしたいポイントを絞ること、つまり経験した仕事の中から「応募する仕事に合う経験は何か」を考えた上で、アピールしていくことなのです。

鬼河原さん

そうか。メリハリをつけるわけですね。現状の職務経歴書では、確かにすべての仕事が横並びで、「何ができるのか」が伝わらなくなっている。総務・人事・運営管理の仕事に応募するなら、その経験を最優先にアピールするように書けばいいんですね。「この経験はたくさん書くけど、この経験はちょっとしか書かない」とメリハリをつければいいのか。

小林所長

さらにそれぞれの仕事で出した成果を具体的に書くとよりアピール度がアップします。また、レイアウト、デザインなどの書き方にも気を配りましょう。項目によって書体や大きさを変えてみたりするのも効果的です。職務経歴書は基本的に書式自由なんですから、こんなところでオリジナリティをアピールするとポイントアップしますよ。

鬼河原さん

はい。ありがとうございました!

今回のポイント
 
その1   経験した職務をすべて羅列するのではなく、
応募する職種にフォーカスして書こう
その2   仕事の成果も具体的に書こう
その3   読む側に伝わりやすいレイアウト、デザインにしよう
   
OK総評

転職活動を行う場合、どんな企業でどんな仕事をしたいのかというターゲットを確定することが先決です。そうすることで幅広い仕事を経験してきたとしても、職務経歴書に書かない方がいいかなという職歴が見えてきます。それを削除して、企業にアピールしたい職歴を、成果やプロセスなどを含め少し詳しく書くだけで、今回のようにずいぶんメリハリの効いた職務経歴書になるんです。鬼川原さんの今後の健闘を祈っています。

 
眼からウロコの感想

メリハリをつけるために、相手が求める経歴は詳細に書き、不必要なものは削除する。そうすることで、職務経歴書はもちろん、悩んでいたキャリアの整理ができたことが何よりうれしかったです。今回小林先生からいただいた数々のアドバイスは、独学や地元のハローワークでは決して得られない貴重なものでした。見る側の視点に立つということを忘れずに、転職活動を進めていこうと思います。ありがとうございました。

職務経歴書の添削は
イラスト/アオキシン
取材・文/山下久猛